2011年11月30日水曜日

登山と生き物と死について


たびたびの井原山登山。
家から車で約40分で行けて山頂は360度のパノラマ。
登山道は針葉樹、広葉樹、沢ありの変化に富んだ山で登り約80分の道のりという、日帰り軽装備で気持ちよく登れる井原山です。
ちなみに私達のこの日のタイムは登りで丁度60分。まずまず。
ところで、皆さんは野生のイノシシに遭遇した事はありますか?
我家では登山歴9年目で2回だけかな・・・・?!
鹿や猿、蛇など動物園に行かないと会えない様な生き物にも山の中で遭遇した事はありますが、それら動物の死骸にお目にかかった事はありません(でした)。
で、この日イノシシの子供の死骸に出会った訳です。
中腹の沢のそばでした。
そして・・・なんだかそれが悲惨でも痛ましくもなかったのです。
半ば白骨化してて見つけたとき『?!』って感じで、大きなイタチかなんかかな・・・と思ったら、足のひずめなんかでイノシシの子供ってことが分かりました。
犬のボギーも『くんくん??』って、別に興奮したり吠え立てたりせずに静かに観察しておりました。
つまりその仔イノシシの死体はそれほど自然の中に同化していたというか、特別な感情を抱かせない程に静粛に横たわっていたのです。
で、思ったんですが、もしこの死骸が近所の公園とか動物園の檻の中とかだったら、もっと違う感情が湧き出ていたでしょう。
『かわいそう』とか『気持ち悪い』とか『うっ・・』とか・・・
きっと何かがあって親イノシシとはぐれて、他の生き物に襲われたか事故にあったか、病気で息絶えたか・・・
(動物のテレビ番組かなんかだったらきっと涙を誘うところかも)
だけど、そのありのままを包み込む大自然の中で土に帰っていくという、生物が陸に上がってから延々と繰り返されて来た現象のほんの1コマに出会って、なんだか別の意味で涙が出そうになる位気高い感じがしたのです。
残念な事に娘は今回一緒じゃなかったから仔イノシシの死骸は見てないけど、もし彼女が見てたら果たしてどんな気持ちになっただろうか・・
ショックを受けただろうか?
それとも少しだけ『命』について寄り添える気持ちを持ってくれただろうか?
登山って山に生息する生き物達(植物も)の住処に、私達人間が道を勝手に造って登ってる訳なんですが、非日常の中でいろんな「気づき」の種を落としたりしてくれています。

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